僕のシコウ

僕のただの“嗜好”であり、同時に“至高”の“私考”。この“思考”は今はまだ“試行”中であるが、僕の“志向”に繋がっている。

哲学カフェ「子どもが幸せな社会とは」

4/9に行なわれた小金井哲学カフェに参加してきました。
今回のテーマは「子どもが幸せな社会とは」でした。
主に、地域性の崩壊、痛みを感じる機会の喪失、大人の過剰な介入、反出生主義、出自を知る権利、離婚、共働きなどが話題にあがりました。


参加者の中で僕が一番若いと一目で確信できるほど年齢層も高く、平均も45歳を越えていたと思います。
そのせいもあってか、無意識的に「"大人の考える"子供の幸せな社会」になってしまっていたのではないかと少し反省気味です。

 

大人の身勝手な行為・決断が子供を幸せから遠ざけているにも関わらず、大人たちがそのことに悪びれてすらいないのであれば、権利が十分に保障されていない社会的弱者である子供の幸せはいつまでも実現されないでしょう。


子供の幸せな社会を考えるにあたって、子供の目線から離れすぎていることはかなりの痛手。
参加者の中でこの違和感に気付いたのは、僕だけかもしれません。

哲学カフェに参加する場合、ファシリテーターではなく一参加者であったとしても、テーマ設定から事前に注意しなくてはならない点を考えておかなくてはならない。

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メロン味のメロンパンはメロンパンではない論

「私、メロンパン好きなんですよー」
「どこのメロンパンが好きなの?」
「最寄り駅の目の前にあるパン屋さんの、夕張メロンクリームが中に入ってるメロンパン!」
「それ、メロン味のメロンパンじゃん」
「いや、ホントおいしいんですってー」
「それメロンパンが好きとは言えないでしょ!」


パン生地の上にビスケット生地を重ねて格子状の溝を入れて焼いたパンは、なぜメロンパンと呼ばれるのか。
実はハッキリとわかっていないらしい。

ただいずれにせよ、メロンパンにはメロンが入ってないんだ!

 

メロンパンには多様なアレンジレシピがあって、クッキー生地にチョコチップが練りこまれたバージョンや、中にホイップクリームを入れたバージョンもよく見かける。

それに比べても、メロン味のメロンパンは王道のようで邪道の中の邪道


月島のもんじゃストリートにある「焼き立てメロンパン 月島 久栄」は、一日に1000個売れるというメロンパン専門店。

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その店頭で流れている歌が恐ろしくキャッチー。
”あんぱんにはあんこがはいってる。メロンパンにはメロンがはいってない~。”
夜までやっているので、是非もんじゃの〆に。

 

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桜のヨウリョク

今年は桜が咲くのが遅い。
例年ならもう春服でも寒くないぽかぽか陽気のはずなのに。

大学の桜もまだまだ満開にはならない。

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この時期になるとみんなこぞって桜の名所に足を運ぶけど、その状況ってよく考えるとなんだが不自然で怖くない?

だって、大抵の人が梅も菜の花もバラもチューリップもネモフィラも見に行かないくせに、桜だけは見に行きたがるでしょ。

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僕には、桜が妖力を持っていて人間を誘き寄せているように思える。

特に夜桜は格別に怖い。

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門出と新生活が始まる時期。
桜にはすべての過去を良かった思い出に変換する効果があるのかもしれない、半ば無理矢理にでも。

桜に群がる人はみんな幸せそうだから、深く考えなくていいのかもしれないけどね。

 

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名古屋のトウガンジ

名古屋に行ってきました!
今回はメイン級ではなく穴場の観光地を巡る旅。
その中でも桃巌寺が面白すぎたので紹介を。


名古屋駅から東山線で15分、本山駅が最寄駅です。
お寺なんてなさそうな大通りを歩くこと5分、エキゾチックな門を見つけました。

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織田信長の父・信秀の菩提寺として知られる桃巌寺のシンボルは名古屋大仏。

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1987年に造立され、2006年に改修した際に今の真緑色に。
光り輝く目・耳・口は金箔で、額にある白毫は純金だそうです。
坐高10m、台座も含めると15mの巨仏で、このサイズ感はまさしく鎌倉の大仏と同じぐらいかな。
鎌倉の大仏よりも知名度が劣る分、独り占め状態で誰にも邪魔されずに対話ができました。


本堂には、直径1メートル、樹齢100年余の楠の大木でできている巨大な木魚があります。自称日本一です。

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この木魚がホントにすごい。
なんと、「片手を触れるだけでも過去の罪障が消滅する」する効果がw
ベタベタ触ってきました。

 

ここから先は拝観料が1000円かかるゾーン。
1000円は拝観料の相場ではかなり高いですが、見る価値はあります。

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廊下を通り別館に進みます。
セクシーな眠り弁天(撮影禁止)、「祈ると美しい夢が見れて安眠できる」そうです。
不眠症、悪夢を見る方にオススメです。
(ちなみに僕は泥棒に入られる夢を見ました)


眠り弁天に別れを告げて先に進むと、薄いカーテンで覆われたガラス戸の向こうに無数の男根(リンガ)が…(絶句)。

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生命のエネルギーを感じました。

見所の多い桃巌寺
名古屋に行く際にはぜひ足を運んでみてください。

 

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トラウマのコクフク

 

闇が深いトラウマを克服するには、似たトラウマを持っている者同士で慰め合うしかない。


寝れない夜に何度も何度も考え込んだトラウマの回避方法を実践して各自が体験することで記憶が上塗りされる。


もちろんドス黒い下地を完全になかったことにはできないが、少なくとも人生を支配されることはなくなる。


しかし、まだトラウマを自分で認識しきれていない人や自分とトラウマの深さが異なる人を相手に選んでしまった場合は、むしろ更なるトラウマを作り出してしまう。


リスクを取らないように相手のチョイスには細心の注意を払う必要があるが、 自分に似た人を見つけると勝手な仲間意識から「救いたい(救ってほしい)」という気持ちが先走ってしまうものだ。

 

自分のトラウマが珍しければ珍しいほど。

 

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モアナに苦言

アナと雪の女王』『ズートピア』に続くディズニー・アニメーション最新作『モアナと伝説の海』を早速みてきました。


〜あらすじ〜
“全能の女神テフィティのハートが半神マウイによって奪われたことにより、やがて島の平和は脅かされるようになる。どこかともなく闇が訪れ、果物は果物は腐り、魚は獲れなくなり、生活は危機的状況にあった。
そんな中、生まれつき海を愛し海に愛される少女モアナは、祖母のタラからテフィティのハートを託され、マウイを探すように言われる。
旅の途中、彼女はマウイを見つけ一緒に旅をすることに。しかし二人は旅路で大きくて危険な生き物や不思議な出来事に次々と見舞われていく。”

 

〜映画の基本情報〜
『アラジン』『リトル・マーメイド』を生んできたロン・クレメンツ、ジョン・マスカーの名コンビが共同監督・脚本を務め、『ライオン・キング』『ターザン』に楽曲を提供したマーク・マンシーナが作曲を担当。力の入れようは今までのヒット作に引けを取らない。


アカデミー賞歌唱部門にもノミネートされた主題歌『How Far I’ll Go』は、島の外に出たことのないモアナがまだ見ぬ世界への憧れを歌った曲で、リトル・マーメイドの劇中歌『Part of Your World』を彷彿とさせる。


モアナのモデルはジブリ作品のキャラクターであると監督が認めていて、周りに流されず自分の考えで行動していく点と、自然との距離感や関係性を模倣しているらしい。つまり、日本の映画市場がターゲットにされている!

 

〜モアナって流行る?〜
たぶん爆発的大ヒットはしないです。
最近流行った『アナと雪の女王』『ズートピア』はメッセージ性が強いが、それに比べてモアナはだいぶゆるい。
“人間誰しもが計り知れない可能性を持っているが、勇気を出して一歩踏み出しても大きな壁にぶち当たったときには葛藤したり自信を失ったりする。傷つき悩み迷った時にも、自分の心の声に従って生きよう。”
これではありきたりなメッセージで真新しさがないと思う。
ミュージカル調はディズニーのお家芸だが、主題歌が繰り返し歌詞を変えて歌われるのは珍しい。正直な話、主題歌以外の曲はパッとしない。
ゆるやかな南国の雰囲気を出すためか、ディズニーらしい軽快な展開ではなかった。女神テフィティの描写は『インサイド・ヘッド』の同時上映『南の島のラブソング』から着想を得たのかもしれない。引き伸ばして作られたのかも。

キャラクターデザインもあまり魅力的じゃない。ストーリーの兼ね合いで、サブキャラがほぼ敵であるのも影響しているだろう。
ペット枠のヘイヘイは、『ファインディング・ドリー』のベッキーとキャラが丸かぶりしているし、ブタのプアを売り出すべきだったような…。


とはいうものの、今回もCG技術はさらに進化していました。
綺麗な海と髪の質感はさらに磨きがかかっていました!

 

〜おまけ〜

ディズニー映画の原題邦題問題でいえば、今回はまだマシ。
Frozen←→アナと雪の女王
Ratatouille←→レミーのおいしいレストラン 
Up←→カールじいさんの空飛ぶ家 
Brave←→メリダとおそろしの森
Moana←→モアナと伝説の海 
「モアナ」はハワイ語で海という意味で、原題はヒロインの名前でもあり、物語の舞台、地域を一単語で表していてオシャンティーですね。

 

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上野のモリ

3/11、上野の森美術館で『VOCA展2017 現代美術の展望─新しい平面の作家たち』が始まりました。

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VOCA展は、全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などが40才以下の若手作家の推薦をして、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、全国各地から未知の優れた才能を紹介する展示会です。


初日は、受賞者お二人によるトークショーが行われました。

4つのオブジェと1つの視点 上田良さん(VOCA奨励賞)
オブジェを作って撮影して最終的には写真作品。
「任意の視点から見よ」と差し出された平板なイメージは、ボリューム、空間、重力といった彫刻的ボキャブラリーから解放されていて、色、形、肌理などディテールへと視線を誘う。
4つで1つの組み作品で、全体でも1点でも作品として見れるようになっている。
素材選びで自分の好きなものだけを選ばないように大学のゴミ箱から拾い集めている。
オブジェを作る段階では、素材を組み合わせた結果、名前を与えられる何かにならないように気をつけている。
そうやって作ったオブジャは自立できないと気づき、一瞬で崩れる物でも形を保つことができる写真に行き着いた。
聴衆がオブジェの大きさを質問した際に「拡大と縮小ができることこそが写真作品の面白さなので内緒。ぜひ、ご自分で想像してみてください」とおっしゃっていたのが印象的でした。


ANTICAMERA OF THE EYE 村上華子さん(佳作賞)
もともと作品が発表される仕組みに興味があり、東京大学文学部美学科に在学していた。駒場祭で、100年前の写真が見つかったという設定で架空の展覧会を作ろうと企画し、初めて作品を出展した。
卒業後に院から東京芸大に進学、それからフランスに渡り作品制作に励んでいる。
フランスは写真が発明された国でもあり、技術自体を財産として残そうという働きかけが強く、写真を学びたい人が学びやすい環境が作られているそう。
今回の受賞作品は、ルミエール兄弟が発明したオートクロームを使用している。
昔の技法に触れた時に何をしようか考えた結果、何もしないことを選択したシンプルな作りの作品になっている。

 

さらに『金氏徹平展「記号は記号ではない」』が同時開催されています。
昨年、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で行われた金氏徹平のメルカトル・メンブレンに出された作品が見れます!
金氏徹平にプラスして今年のVOCA展出展者である加納俊輔さん、田中秀和さん、東畠孝子さんの4人によるトークセッションが行われました。
毎年この時期になると賞が取れなかったことにイラッとするから、自分と同様に何も賞をもらってない京都人を集めたそうです。
前半は、反骨精神を鍛え上げてくれたVOCA展の思い出を振り返るような流れでした。

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金氏徹平の作品といえば、コンビニ人間の表紙で初めて見た人も多いと思います。
僕自身も大阪の国立国際美術館で行われた森村泰昌展でみた動画版のTowerが大好きで、初めて生でお話を聞くことができて嬉しかったです。
金氏徹平さんは、無意識性と偶然性をどうコントロールするかに関心があり、化粧品を絵具に見立ててaction paintingしたかのようなイメージの動かないのに流動的に見える作品を作成しています。

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雑誌の切り抜きを一回スキャンしてデータ化することでより抽象的な次元に昇華し、木の板に貼り付けて厚みを出しフィジカルな要素を取り入れている。
「素材を手に入れるために自分で写真を撮ることは絶対にしない。
それをやりだすとどんどん内に入っていってしまう。
自分と外とつながることが大事で、欲を言えばお金を払って買ってくるとより良い」

というポリシーがあるそうです。

f:id:bokunosikou:20170315004838j:plain観覧料は一般600円/大学生500円/高校生以下無料で、3/30までやっています。本当にオススメ、ぜひ!

 

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