僕のシコウ

僕のただの“嗜好”であり、同時に“至高”の“私考”。この“思考”は今はまだ“試行”中であるが、僕の“志向”に繋がっている。

味のビガク

どちらも美しい味と書くからには、おいしいとうまいは同じような意味を持つ形容詞なのだろうか。「おいしいはうまいを丁寧にした表現だ」と断言されてしまうとどうも違和感が残る。うまいからといって必ずしもおいしいとは限らないしその逆もまた然り。牛丼…

物語のイデンシ

かれこれ10年近く聴いているラジオに、20世紀少年の作者である浦沢直樹がゲスト出演した。彼はその番組内で「石ノ森章太郎はサイボーグ009を描き切れず亡くなってしまったけれど、僕にはエヴァンゲリオンにその神との戦いの続きが描かれているように見える」…

合意のアジケナサ

出会い系はマッチングアプリに改名し、印象までも一転させた。間違っても遊び人とは呼ばれないタイプの若者でさえ、今では当然のようにマッチングアプリに登録している。いやむしろ、そういう人たちの方がマッチングアプリを上手く使いこなして恋人を作って…

美のキョウカ

ミロのヴィーナスは、両腕がないからこそ各々の想像力によって特殊から普遍への飛翔が可能であり、未完ゆえに完成している。そんなに格好を付けて言うことでもなくて、歯科医院のお姉さんも街で通り過ぎていく人々もマスクをしているだけで脳内補正が仕事を…

感性のホゾン

とうとう新元号が発表された。天皇の退位に伴う改元は憲政史上初めてらしいけれど、平成生まれの僕たちには改元そのものが初めての体験で、なんとも表現できないソワソワ感を共有していた。でも大っぴらに気にかけた素振りをしてはダサいような、心なしか昭…

人生のシュヤク

演技は人生の本質であり、誰しも同時並行でいくつもの物語に多様な役で出演している。しかしながら「人の数だけ物語は存在する」とは思えない。他人の人生の脇役を勤めるだけで満足して、自分の人生でも主役になれていない人が沢山いるからだ。脇役止まりと…

表現媒体のシガラミ

人間は日常的に他人の物語をインスタントに摂取している。映画・ドラマ・舞台・コント・漫才・音楽・小説・漫画・絵画・写真あたりがメジャーどころで、そのどれにも興味がないという人はなかなかに珍しい。趣味として掲げる人も多く、たとえば映画が好きだ…

職業のキセン

「職業に貴賤なし」という言葉はだれしも聞いたことがあると思います。これは独学で儒教を学んだ江戸時代の思想家である石田梅岩の教えだそうです。士農工商(天下万民の職業)の階層は社会的職務の相違であり、人間価値の上下や貴賤に基因しない。今でもスロ…

2018年下半期の展覧会

昨年は1年で133、今年の上半期は80、下半期は26。僕の中で美術鑑賞の波は大きくうねっていて、今はちょうど小さい時期のようだ。思い返してみると確かに趣味の時間をその分“食”に費やした下半期だった。例によって印象的だった展覧会をまとめておく。Pop, Mu…

試行回数のゲンカイ

商業的にはハロウィンが終われば間髪入れずにクリスマスだ。対して僕の心持ちはといえば、紅葉の見頃が終わってよくやく追いつく。街の雰囲気もイベントも食べ物もクリスマス独特の仕様で、その節々が記憶と結びついているから一年のどんな日よりも思い出を…

時代のホウカイ

平成最後という煽りに嫌気が差す。いくら元号が変わろうと未来の代名詞となった2020が訪れようと、途端に何が変わるわけではない。そう思いながらも、根底では迫り来る次の時代に恐怖を覚えている。時代に乗れないことや時代遅れであることが恥に直結すると…

時間は解決してくれない

「時間が解決してくれる」というセリフは、悩みを抱えた人を慰める場面の常套句になっている。ああでもないこうでもないと相談をしてお開きが近づくと決まって出てくる。しかし、僕には“時間”が諸問題に万能薬として作用しているとは到底思えない。人間の悩…

インクレディブルファミリーを考察する

待つこと早14年、待望のMr.インクレディブルの続編が公開されましたね。制作が発表されてからも上映予定が遅れに遅れ、その度に「まだなのか」と落胆してきました。ようやく少しずつ予告映像が出されていくと、今度は「本当に続編が観られる」という喜びと同…

優位性に逃げない

高文脈的な言語を使っている僕たち日本人は、常に人間関係を最重要な問題としている。KY→コミュ障→アスペ→忖度などと言葉を変えながらも、“気持ちを汲み取るべき”という強迫観念は強大な支配力を持ち続けている。「I.Qが20離れると話が通じない」と「アスペ…

アイドルがアイドルをやめること

アイドルを推す。それは応援よりも崇拝に感覚が近い。アイドルになることを出家に例えるなら、アイドルをやめることは還俗と言えるだろう。小さい頃から厳しい道を歩んできたからこそ崇拝の対象だったのに。ステージにマイクを置いて、普通の女の子に戻りた…

良い名前のジョウケン

「こんなキラキラネームがあるらしいよ、マジウケる」という薄っぺらい笑いが現れてから、もう15年は経っている。モラルの形成には時間がかかるとは言え、あまりに長く存在しつづけていて実に不快だ。名付け親の神経を疑うとか子供が可哀想だと言っても、そ…

二度目の死

人間は二度死ぬ。一度目は心臓が止まったときに、二度目は人から忘れられたときに。人が「死にたい」と口にしたら、多くの場合は“二度目の死”を意味するのではないだろうか。しかし、二度目の死を完璧に決行するのは甚だ現実的ではない。何か外的な刺激を受…

生臭い映画を観て

是枝監督が撮った映画を初めて映画館で観た。そう、今話題の万引き家族。是枝監督の作品に繰り返し起用される樹木希林とリリー・フランキーの演技は、観客の視点を地面に括り付ける。あの人たちが出てくると途端に物語が空想の世界に飛んでいけなくなるよう…

2018年上半期の展示会

2018年という年も始まってから早くも6ヶ月が過ぎ去ったことになる。その間に僕が足を運んだ展示会は80を数える。中でも印象的だった展示会をまとめておこうと思う。1. マイク・ケリー展 デイ・イズ・ダーンhttp://www.watarium.co.jp/exhibition/1801mike/in…

東京は広く命は長い

東京が広くなった。自分が大きくなるにつれて小さくなるばかりだった東京が。頻繁に会ってた人たちが偶然同じタイミングで東京から出て行くとそれだけで東京は広くなるらしい。思わぬ発見だった。自分を探しに遠くへ行ってしまった人には僕から連絡するべき…

好きで嫌いなら好きに違いない

僕は星野源が紛れもなく好きだ。そう断言できる。ラジオパーソナリティとしての星野源やアーティストとしての星野源が好き。オールナイトニッポンは開始から毎週欠かさず聴いているし、カラオケに行けば必ず彼の楽曲を歌う。ただ、俳優としての星野源や物書…

ハイレッド・センターのスコアを残す

僕の一番好きな現代美術作家である森村泰昌さんが恵比寿で個展を開催している。初日はオープニングセレモニーとして、東京都写真美術館の学芸員と森村泰昌本人でトークショーが行われた。その中で印象に残った内容をまとめておく。森村泰昌にこの道へ進むキ…

アウティングに溢れる世界

アウティングとは、本人の了解を得ずに公にされていない情報を第三者に暴露する行為のこと。特にまだ差別意識が残っている内容ではプライバシー侵害として大きな問題として取り上げられている。主にLGBT界隈でよく使われている言葉だが、僕はより一般的に広…

いつの日か青いジンで

気がつけば僕の心には常に不思議な枠が必要になっていた。恋人でもなければ親友でもない。名前はあえて付けないことにしている。線を引かずにどこまでも自由に繋がっていきたい。どこまでいけるか。どこにいけるか。ある種の実験なのかもしれない。好きだか…

哲学カフェのリソウ

哲学カフェ。25年前のパリで始まったこの活動は、日本でも東日本大地震を機に加速度的に広まっている。今では週末になると東京近郊なら必ず5つくらいは開催されているような状況だ。今となっては、哲学カフェの内容は団体によってかなりの差がある。多様化す…

哲学カフェを運営している人たちへ

僕は哲学カフェ巡りが趣味のひとつだ。3年前に初めて参加して以来、首都圏の様々な団体の哲学カフェに合計150回近くもお邪魔している。自分でも日本で初のインカレ哲学カフェサークルを設立し運営していたことがある。そうした中で、運営陣と話す機会がある…

3.3のシツモン

「33の質問」という1986年に出版された本がある。詩人の谷川俊太郎が色々な人達に33個の質問をして回答してもらうというシンプルな企画をまとめた内容になっている。東京オペラシティで開催していた谷川俊太郎展では、その現代版として33の質問から選ばれた3…

「君の名前で僕を呼んで」のイミ

君の名前で僕を呼んで、僕は僕の名前で君を呼ぶ。初めて体を重ねたときにそんなことを囁かれたら、え?なんて言ったの?って聞き返してしまうと思う。どんなプレイなんだよって。映画「君の名前で僕を呼んで」は第90回アカデミー賞で4部門にノミネート、そし…

彫刻のユラギ

芸術としてのヌードは、人間にとって身体という最も身近なテーマであると同時に、人間の内面を映し出す鏡という永遠のテーマだ。横浜美術館でヌード展と題した展示会が開かれている。西洋近現代美術における裸体表現の変遷に焦点をあてた斬新な展示会で、僕…

加速するシコウ

手持ちの問い。いつ何時でも頭の机に広げてある。そうやってアンテナを張っておけば、何気ない日常に隠れたヒントも見落とさなくて済むかもしれないから。時には、そのちょっとしたヒントが怖いぐらいに繋がっていって、思いもしなかった考えに至ることがあ…