ロバートルールのユウヨウセイ
先日、メンサの公式例会に参加した。
「ロバートルールを学ぶ会」という、JMでは少し珍しい勉強会形式の例会だった。
そもそも、ロバートルールとは、会議中の無駄な時間を徹底的に取り去ることに主眼を置いた議事進行法で、現在では国連や各種国際会議をはじめ、メンサでも総会を円滑に進めるためにこの手法が採用されている。
そこで、今回の例会では「総会で戸惑わない」レベルが目標に設定されていた。
ロバートルールの細かい内容すべてを書く気はないので、
気になる人は調べてみてほしい。
以下、特徴的なルールを4つ紹介する。
・提出された動議に1名以上の賛同者が必要である。
これをセカンドと言い、提出者以外の人物がセカンドと発言することで成立する。
動議の内容で審議を行うことに賛同したにすぎないため、セカンド自身がその動議に反対意見を述べても問題ない。
1人からだけの提案には付き合えないという考えではあるが、むしろ賛同者が一人で良いと思えば、きちんと少数の意見を尊重していると言える。
・審議における発言時間は一回10分まで、且つ、一人の参加者が一つの議案で発言できる回数は2回まで。
まず提案者が発言したあと、議長は初回の発言となる人を優先的に指名する。また、賛否の割れた議論では、賛成意見と反対意見を極力交互に取り上げるよう努めることになる。
このルールがあることで、参加者は事前に自分の意見をまとめてくる必要性を感じるようにできている。
しかし、出席者の3分の2の賛成で変更も可能で、今年のJM総会では「発言時間は一回2分まで、そのかわり発言回数は無制限」に変更された。
・一事不再議の原則
同一会期中においては、一度審議が行われた上で何らかの結論を得た議案については、再び同内容の議案を提出することはできない。
会期が異なれば同内容の議案を提出することも可能であるが、情勢に明らかな変化がない場合には、引き伸ばし議案と判断され却下される。
・再審議
同じ会期でも、一度採決された議案に対して新たな事実が判明した場合、再審議の動議を提出できる。
しかし、多数決において、多数側の人物が意見を翻さない限り結果は変わらないので、
再審議動議の提出者には、当初の議案の採決において多数側に投票した参加者のみという制限がある。
また、再審議において当初の採決結果と異なる結果を得る場合は、3分の2以上の賛成を必要とする。
JMの総会の定足数は10分の1、つまり250人程度である。
ロバートルールは30人ほどの会議で真価を発揮するため、JM総会では有効とされる範囲を優に超えているだろう。
しかし、それ以上の議事法が存在するわけでもないため、ロバートルールに改変を加えて使い続けているのが現状だ。
特に、参加者全員が同レベルの意思表示をできる資格を有する議事法では、このロバートルール以上に有能なものはないとされている。
ロバートルールによる会議は、全参加者が扱う議題とこの議事法についてよく知っていなくては成り立たない。
すでに世界的に基準とされ今後とも広がってくこの議事法は、理解しておいて損はない。
そして、自分の融通が利く会議があるなら、取り入れるか検討してみても面白いと思う。