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僕のシコウ

僕のただの“嗜好”であり、同時に“至高”の“私考”。この“思考”は今はまだ“試行”中であるが、僕の“志向”に繋がっている。

上野のモリ

3/11、上野の森美術館で『VOCA展2017 現代美術の展望─新しい平面の作家たち』が始まりました。

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VOCA展は、全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などが40才以下の若手作家の推薦をして、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、全国各地から未知の優れた才能を紹介する展示会です。


初日は、受賞者お二人によるトークショーが行われました。

4つのオブジェと1つの視点 上田良さん(VOCA奨励賞)
オブジェを作って撮影して最終的には写真作品。
「任意の視点から見よ」と差し出された平板なイメージは、ボリューム、空間、重力といった彫刻的ボキャブラリーから解放されていて、色、形、肌理などディテールへと視線を誘う。
4つで1つの組み作品で、全体でも1点でも作品として見れるようになっている。
素材選びで自分の好きなものだけを選ばないように大学のゴミ箱から拾い集めている。
オブジェを作る段階では、素材を組み合わせた結果、名前を与えられる何かにならないように気をつけている。
そうやって作ったオブジャは自立できないと気づき、一瞬で崩れる物でも形を保つことができる写真に行き着いた。
聴衆がオブジェの大きさを質問した際に「拡大と縮小ができることこそが写真作品の面白さなので内緒。ぜひ、ご自分で想像してみてください」とおっしゃっていたのが印象的でした。


ANTICAMERA OF THE EYE 村上華子さん(佳作賞)
もともと作品が発表される仕組みに興味があり、東京大学文学部美学科に在学していた。駒場祭で、100年前の写真が見つかったという設定で架空の展覧会を作ろうと企画し、初めて作品を出展した。
卒業後に院から東京芸大に進学、それからフランスに渡り作品制作に励んでいる。
フランスは写真が発明された国でもあり、技術自体を財産として残そうという働きかけが強く、写真を学びたい人が学びやすい環境が作られているそう。
今回の受賞作品は、ルミエール兄弟が発明したオートクロームを使用している。
昔の技法に触れた時に何をしようか考えた結果、何もしないことを選択したシンプルな作りの作品になっている。

 

さらに『金氏徹平展「記号は記号ではない」』が同時開催されています。
昨年、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で行われた金氏徹平のメルカトル・メンブレンに出された作品が見れます!
金氏徹平にプラスして今年のVOCA展出展者である加納俊輔さん、田中秀和さん、東畠孝子さんの4人によるトークセッションが行われました。
毎年この時期になると賞が取れなかったことにイラッとするから、自分と同様に何も賞をもらってない京都人を集めたそうです。
前半は、反骨精神を鍛え上げてくれたVOCA展の思い出を振り返るような流れでした。

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金氏徹平の作品といえば、コンビニ人間の表紙で初めて見た人も多いと思います。
僕自身も大阪の国立国際美術館で行われた森村泰昌展でみた動画版のTowerが大好きで、初めて生でお話を聞くことができて嬉しかったです。
金氏徹平さんは、無意識性と偶然性をどうコントロールするかに関心があり、化粧品を絵具に見立ててaction paintingしたかのようなイメージの動かないのに流動的に見える作品を作成しています。

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雑誌の切り抜きを一回スキャンしてデータ化することでより抽象的な次元に昇華し、木の板に貼り付けて厚みを出しフィジカルな要素を取り入れている。
「素材を手に入れるために自分で写真を撮ることは絶対にしない。
それをやりだすとどんどん内に入っていってしまう。
自分と外とつながることが大事で、欲を言えばお金を払って買ってくるとより良い」

というポリシーがあるそうです。

f:id:bokunosikou:20170315004838j:plain観覧料は一般600円/大学生500円/高校生以下無料で、3/30までやっています。本当にオススメ、ぜひ!

 

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