僕のシコウ

僕のただの“嗜好”であり、同時に“至高”の“私考”。この“思考”は今はまだ“試行”中であるが、僕の“志向”に繋がっている。

シネマ哲学カフェ「ムーンライト」

onecafeの第1回シネマ哲学カフェ「ムーンライト」に参加してきました。
onecafeのメンバーには映画好きが多いのに、意外と初のシネマ哲学カフェ。待望のシネマ哲学カフェでした。
アイスブレイクで映画好きあるあるの話ができただけでもホント楽しかったな。
今回は「ラ・ラ・ランド」を押しのけアカデミー賞でメインである作品賞を受賞した「ムーンライト」が題材でした。って言っても題材の映画を選んだの僕なんだけど。

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映画「ムーンライト」は、1人の黒人少年の人生を追いながら自分のアイデンティティと社会の摩擦に葛藤するリアルな人間模様を描いている作品です。
幼少期「リトル」・ティーンエイジャー時代「シャロン」・青年時代「ブラック」の3つに分けて、貧困問題、人種問題、同性愛、麻薬問題など、全米に蔓延する等身大の社会問題をしっかり描写しています。


この映画の特徴は、感情の起伏があまりなく淡々と話が進んでいくところ。
あえて回収しない伏線も多いし終わり方もオープンエンドで、観客に解釈を委ねる部分が多い映画でした。
そのため、観た人の感想もだいぶまちまちだったからこそ、シネマ哲学カフェ向きの映画だったんじゃないかなと思います。

 

僕が一番に感じたのは、差別的なトピックを扱いながらもあえて誇張した表現をしないというリアリティーの追求
人種問題を象徴的に取り上げたいのであれば、黒人だけしかいない地区を題材にするよりも白人のコミュニティーで生きている黒人を描いた方が効果的に違いないし、同性愛の差別を描くにしてもより直接的な表現できたはずです。


この映画の感想としてマイノリティーの差別問題にしか着目しないで発言している人は映画慣れしすぎているように思います。
黒人や同性愛者が出てくれば差別されるという展開が、映画界ではある種の予定調和になっているのは確かですが、その意識自体も差別意識の一部なのではないでしょうか。

 

また良い題材が見つかれば、シネマ哲学カフェやろう!

 

 

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