僕のシコウ

僕のただの“嗜好”であり、同時に“至高”の“私考”。この“思考”は今はまだ“試行”中であるが、僕の“志向”に繋がっている。

社会のハグルマ

塾講師、家庭教師、ライター。

僕が今までやってきたアルバイトは、あまりお客様にへりくだった態度を取る必要がないものだった。
おまけに民度も高い。

しかし、この世の中では不当な扱いを受けずに生きていくのは至難の技だ。
きたる社会の暴風雨に備えて、不当な扱いへの耐性をつけないと生きていけない。
そう思って、いわゆる派遣バイトに挑戦してみた。

選択肢は多かったが、そのなかで派遣が大人数くる工場のバイトを選んだ。サンプル数を多くするために。

まずはじめに、課長からお言葉をもらった。

君たちは初めてなんだから、わからなくて当たり前。
今日はわからないことを聞くのが仕事。

誰にでもできる単純作業を進めていった。
まさに時間を売ったのだ。

単純作業すぎて頭がおかしくなる。
そのせいで、一緒に作業していた人がミスをする。

課長が怒鳴る。
これ何枚?って聞かれたら、9枚か10枚です。じゃなくて、すぐに数えなおして9枚か10枚かで答えて。

ここでは、最速で60点の答えを出すよりも、少し時間をかけて精度の高い答えを出す方が評価されるようだ。

総じて、急かされているのか、慎重にやるのかわからなかった。
チームプレーだと、最低速の人によって全体の速度が決められる。
たぶん、ミスをしない範疇で早くやることが求められていたのだろう。

最後に、課長が自分をフォローする。
どうしても厳しくなっちゃうんですよ。お客様が厳しいから。