僕のシコウ

僕のただの“嗜好”であり、同時に“至高”の“私考”。この“思考”は今はまだ“試行”中であるが、僕の“志向”に繋がっている。

フレッシュコンサートのカンソウ

コール・クライネスのフレッシュコンサートに行ってきました。

クライネスがこの時期に外部に向けて演奏をするのはかなり久しぶりで、新陳代謝が良い大学サークルからすれば、引き継ぎが使えないまるっきり新しい企画に近い感覚で運営したのではないでしょうか。
例年のマイナーチェンジをする場合とは比べ物にならないほど、大変だったと思います。特に14スタッフさんはお疲れ様です。

 

クライネスの前期行事の準備は1年以上前から始まります。
つまり、このフレコンは僕がまだ相談役として幅を利かせていた時期に、14と一緒に悩んで作っていった企画でした。
だから、もちろん思い入れは強くて、期待半分、心配半分でホールへと足を運びました。

 

今回の会場は、コール・クライネスが年末にやる演奏会ですら、満員にすることが出来ないキャパシティだったので、空席が目立つもの当たり前です。
全席自由席でチケットを配布しない方式を取るのであれば、更に空席のパーセンテージは上がります。
だから、ステージに乗った団員は空席を気にする必要もありません。
むしろ、僕は思ったよりも人が多いと感じました。

 

今回のメインターゲットとしては、今年の演奏会で一緒に歌うOVさん、そして一年生の親御さんだったと思います。
一週間後はOV練の初回です。OVパトリ・練責を引き受けてくださった先輩も観に来てくれていました。
某OV合唱団は、フレコンの時間に練習を被せていて神経を疑いました。
東京都合唱祭が近いのは知っていますが、それでももう少し現役に興味を持ってもらいたいものです。

一年生の親御さんには、これからお子さんの膨大な時間を消費することになるこの団体がいったい何をしているのか、この時期に伝えられたことは今後に影響する財産だと思います。
親御さんの理解がなくて退団する団員も少なくないので。


さてさて、このコンサートは、4つのステージで構成されていました。

1つ目は、合同ステージ。
誰しもクライネスに入って一番最初に練習する団歌と森歌。その2曲に加えて、例年なら追いコン期に練習する合同曲からLet's Sing My Kleines。
どの曲もよく知ってるからこそ、指揮者や歌い手が変われば毎回違うように聴こえて面白い。
初ステージの一年生の強張った顔が徐々に解れていく様が印象的なステージでした。

 

2つ目は、一年生ステージ。
実は学年内構想段階では、このステージをやる予定はありませんでした。
クライネスの中での“演奏会”は、高いクオリティが求められます。そうすれば、ステージに乗るにもかなりの練習量が必要になります。
それを入団したばかりの一年生に課していいのか。一年生に合唱の楽しさを感じてもらうという前期行事の目的に沿うのか。
自分たちが曲作りを率先して引っ張ってきた上級生技系の相談役ほど演奏の質にプライドを持っていて、頑なにクライネスの名に泥を塗りたくないようでした。
相談役に脅されては、プレスタも茨の道を選ぶのが怖かったのだと思います。
再考してなんとか一年生のステージを設けることになりましたが、今となっては全員がやってよかったと思っているのではないでしょうか。
聞くところによれば、一年生はよく自主的に練習していたようです。
発表の場があることによる効果は計り知れないと実感するとともに、今年はいい人材が入ってくれたみたいで安心しました。

松下耕作曲の「ほらね、」は、東日本大震災の被災地を応援しようという「歌おうNIPPONプロジェクト」のために書き下ろされた作品で、図ったわけではなくその曲を福島出身の指揮者が振ることになりました。
震災うんぬん抜きで単純に選曲が良かったです。16の追いコンステージのアンコールが目に浮かびました。
この曲の指揮者も、昔の印象からは少し変わって、綺麗に曲を整えてまとめるだけではない曲作りが自然とできるようになったと感じました。今年のコンクールも期待しています。11月に鳥取旅行したいです。


3つ目のステージは、アンサンブルステージ。
クライネスの団員を四つの班に分けて、それぞれの班が作り込んだ曲を披露するステージです。
必然的に班指揮者を4人、班パトリを16人が経験することになります。
班技系は二年生に門戸が開かれていて、パトリに限らず重役を目指すプレスタの登竜門的な存在になっています。
今年の二年生の多くも班技系を経験してくれたようです。
しかし気になるのは、楽しめなかった人が少なからずいたということです。
自分でやりたいと立候補したにも関わらず、思っていた仕事と違くてつまらないなんて不平を漏らしているのは、単に下調べが足りなすぎると思います。見積もりが甘い。
今回の経験を踏まえて技系が合わなそうだから、じゃあ運営を目指そうなんて迷惑な話なのでやめてくださいね。
技系ほど表舞台の役職はないので、より実態を把握しにくい他の役職を目指したところで、同じことを言うだけに決まっています。
班技系としての振る舞いにも責任感がない人が多かったと噂を聞くので、二年生には今一度気を引き締めてもらいたいところです。

今回は外部発表ということで優勝班の投票は行いませんでしたが、せっかくなので一個人としての意見を言わせてもらうと、僕の中での優勝は諸沢班。
本番の演奏の中で発声の練習をした跡がしっかりと見えたし、4パートのハーモニーが一番綺麗でした。こだわってる場面もしっかりと伝わってきました。
2位以降のコメントもしたいところですが、しょげる人が出てくるのでやめておきます。

 

最後に、上級生ステージ。
新歓曲はヒヤヒヤする場面が何箇所かありましたが、挑戦曲がピカイチでした。この完成度の挑戦曲は初めて聴きたと思います。コンクールの自由曲を聴いているのかと錯覚するほどに。アンサンブルとAud.を頑張ったんだと思います。

 

クライネスが例年の演奏会でできないナレーションやアンコール。いわゆる他の大学合唱団の演奏会に近いフレコンでは、素のクライネスが垣間見えて、親近感が湧きやすい様に感じました。

とても良い演奏だったので、どこかにアップロードするとか、演奏会CDのボーナストラックにするとか、何かしらの方法で音源を聴けるようにしてほしいです。 

 

兎にも角にも、小アンに比べてフレコンは格段にコストが増えた分、団員の達成感も大しっかりと大きくなっていたようで安心しました。

 

ご盛会おめでとうございました。