感性のホゾン
とうとう新元号が発表された。
天皇の退位に伴う改元は憲政史上初めてらしいけれど、平成生まれの僕たちには改元そのものが初めての体験で、なんとも表現できないソワソワ感を共有していた。
でも大っぴらに気にかけた素振りをしてはダサいような、心なしか昭和生まれが余裕を醸し出しているような、そんな空気が漂っていた。
予想に反して、和暦自体を嫌がる人はいても令和を嫌がる人はまず見当たらなかった。それだけで素晴らしい新元号と言えるに違いない。叩く糸口を与えないため考案者や他の候補案を伏せたのも賢い選択だったと思う(結局リークされてしまったけれど)。
令は命令の令。その感覚も令和の中で変わっていくんだろうな。
冷たい空気に負けず花開く梅、典拠の情景まで連想されるような語感がまた素晴らしい。
イントネーションは、昭和と同じか、明治と同じか。まだ半々で決着していない。
思うところは沢山あるけれど、新しい言葉が生まれる瞬間というだけで楽しい。それが初めての新元号発表の感想だった。
人生の内でもそう何回もない改元を何かを始めるキッカケにする人も多いと思う。僕もまたその一人。
令和では、月ごとに一番のニュースと一番の問いを合わせて記録していくことにした。
今までだと平成◯年→西暦△年→◇年生→関心事の順で年と自分史を対応させてきたけれど、学生でなくなるとその手順にも限界が来る。
自分の感性を時間軸と対応させて整理・保存するために、この記録を始めてみる。
明治ハイカラ・大正ロマン・昭和レトロに続いて平成はどんな時代だったのだろうか。それもまた次の時代を生きないとわからない。
少なくとも令和に語源以上の意味付けがなされていくのは今から。それが本質。楽しもう。